第4弾 「環境再生型農業をOneTableで考える」

 

今回で4年目となった北海道オーガニックデザイン風土火水。今年のプロジェクトは、「環境再生型農業をOne Tableで考える」。1年目は自社有機食品シリーズを展開し、生活者に道産オーガニック製品をお届けする事が出来ました。2年目は、次世代へ生きた土を継ぐために、オーガニック農業の可能性を生産者や実需者、生活者に知ってもらうためのノウハウ本「自然と人と農業と」を作成。

3年目は転換期間中有機農産物の価値を考え、認知度向上、商品開発、マーケティングについて研究・実践すべく動きました。

試行錯誤の中、有機農産物や製品を幅広い方にお届けしたり、オーガニック農業の可能性をお伝えし、転換期間中の価値を考え、商品を販売するなど、「オーガニック」にこだわったプロジェクトを行ってきました。しかし、プロジェクトを行っていくなかで、オーガニックはあくまで手段の一つであり、「オーガニック」と「それ以外」という分け方がどうしても腑に落ちないという実感もありました。

「1冊の本との出会い」

そんな中、昨年わたしたちが出会った一冊の本があります。
ゲイブ・ブラウン著「土を育てる-自然をよみがえらせる土壌革命-」(NHK出版)です。

アメリカのノースダコタ州で農場を営むゲイブ・ブラウンさんが、さまざまな危機を乗り越え、
「生きた土」そして「自然の生態系を回復させる農業」に辿り着いた過程が描かれています。

この本を読んだ瞬間「これだ!!!」と思いました。

環境再生型農業=Regenerative Agriculture(以下RA)

これまで私たちは、生きた土・健全な作物・人間の健康を未来に継ぐため、
手段の一つとしてのオーガニックの普及に取り組んできましたが、
オーガニックとそれ以外という区分が、腑に落ちていない点も多くありました。

「それ以外」を否定しているみたいに捉えられてしまわないか…と、
周りの方々にストレートに伝えられずにいた事もありました。

ですが、RAという農業・考え方を知り、私達の中で、しっくりしたような気がしました。
農法と農法の間にある壁を壊して、それぞれの立場(生産者・実需者・消費者)に関係なく、
農業の未来を変えていきたい!と。

今年3月、私たちはゲイブさんに「日本の農業を見に来てほしい!日本でもRAを広めたい!」と思い切って手紙を書きました。

そして、なんと!ゲイブさんからお返事をいただけたのです!
この瞬間、このプロジェクトは本格始動しました。
ご本人はご都合が付かず、来日は難しいとの事でしたが、ゲイブさんが経営するRAコンサル会社のコンサルタントである
チャックさんが十勝に来て下さることになりました!

このような経緯もあり、11月20日(水)に十勝の音更町で、チャックさんが講演会を実施して下さる運びとなりました。
講演会の他にも、4日間十勝に滞在して頂き、十勝の圃場や、生産者の方々ともお話する機会もつくっていただき、
十勝の現状も見て頂く予定になっています。

「RA講演会を一人でも多くの方に聞いていただき、そして様々な立場の方(生産者・実需者・生活者)がRAについて、そして相互理解を深められる機会にしたい」という思いのもと、農業やRAに関心の高い有志の大学生3名も加わり、プロジェクトを始動しています。

環境再生型農業=Regenerative Agriculture(以下RA)って?

ここで少し、RAについて詳しくご紹介させて頂きたいと思います。RAは、近年、アメリカ合衆国をはじめとする海外で、とても注目を浴びており、日本でも先述したゲイブ・ブラウンさんの著書「土を育てる」がベストセラーになるなど、徐々に注目を浴びている農法です。

ゲイブ・ブラウン著「土を育てる-自然をよみがえらせる土壌革命」NHK出版より

上記は、「土を育てる」に書かれている「土の健康に欠かせない6つの原則」です。
「化学肥料の有無」など、明確な定義のないRAは、一見理解し難いように感じられますが、
その一方で、生産者は取り組みやすい一面もあると感じます。
自分なりに土地を思いやり、土壌状態を良くするための農業を行うことが、RAに取り組むということではないでしょうか。

アクション① 「今RAが必要とされている背景を知る」

(写真左上:満寿屋商店の杉山社長のお話を伺う様子 写真右上:オフイビラ源吾農場、(有)福田農場訪問の様子
左下:坂東農場訪問の様子)

実際にRAに取り組む十勝の生産者さんや、取り組んではいないけれど、真摯に日々土壌に向き合われている
生産者さん、RAに賛同する十勝の実需者、ベーカリーへ訪問させて頂き、圃場や店舗の見学・意見交換をさせて頂く事で、
今RAが必要とされている背景を知り、理解を深めました。

アクション②「RAをより多くの方(生産者・実需者・消費者)に伝えられる講演会の開催」


右がチャックさん

前述した通り、11月にゲイブ・ブラウンさんのコンサル会社「Understanding Ag」のコンサルタントである、
チャック・シェンブレさんが十勝に来て下さり、11月20日(水)には、RAについての講演会を実施して頂きます。
チャックさんからは、RAの実践がどの農家にも必要である理由や、RAの原理と方法、土壌の健康状態と機能の概要他をお伝え頂く予定です。チャックさんの講演会は生産者の方向けの内容になっていますが、RAは、生産者のみならず、
実需者・生活者それぞれ異なった立場の方皆に重要で、大切なことであると私たちは考えます。

この講演会では、「環境再生型農業をOneTableで考える」を目的とし、
様々な違った立場の方がRAについて知り、農業を考える機会にしたいと思っています。

また、チャックさんには講演会のみならず、十勝の圃場や生産者にも訪問していただき、
十勝の現状を見ていただき、意見交換もさせていただく予定です。

私たちは、より多くの方、そして様々な立場の方にRAを普及する為に、活動しています。

【チャックさん講演会詳細】

【日時】 2024年11月20日(水)
13:00~18:30(開場:12:30)
【会場】 音更町文化センター 小ホール
住所:音更町木野西通15丁目8
※第一部のみ、Zoomでの配信も予定しております。

【内容】※現在の予定になります。変更される場合もございますので、随時情報を更新していきます。

第1部:チャック氏講演(約3時間)
実践がどの農家にも必要である理由、RAの原理と方法、土壌の健康状態と土壌の機能の概要、
土壌生物学の重要性、アメリカおよびその他の国で取り組まれている土づくり など

第2部:「One TableでRAを考える」パネルディスカッション(約1時間)
チャック氏の他、十勝の生産者さん、実需者さんと様々な立場の方が、未来のこどもたちのために、RAを語り合います。

本プロジェクトは現在進行形で活動しているプロジェクトです。
随時活動をご報告していければと思いますので、ぜひSNSをフォローをお願いいたします。
活動に共感し、参加してくださる方も随時募集しています。

北海道オーガニックデザイン風土火水 @hokkaido_organic_fudokasui
アグリシステム @agrisystem.tokachi

 

協賛企業のご紹介

講演会の開催に、協賛いただいた企業・団体の方を紹介します。

株式会社菊廼舎本店
寿物産株式会社
おびひろ清流歯科クリニック
株式会社 市川商店
COKKI PAN
株式会社まほろば
山三伊藤商事株式会社
株式会社キングベーク
いろどりファーム
株式会社小杉食品
株式会社福島屋
アイビーイー・テクノ株式会社
有限会社菅谷食品
有限会社藤原電設
株式会社エイコーウェルネス
マルカワみそ株式会社
株式会社保谷納豆
日糧製パン株式会社
PANYA komorebi